【アサギマダラ香港へ3000km以上の旅】2024年12月

今年の暮れも迫った12月21日、びっくりするようなニュースが台湾のアサギマダラの関係者から飛び込んできました。なんと「香港でアサギマダラを再発見した!」と言うものです。

香港の友人経由で情報をくださったのは台湾の李さんです。情報には「デコ 8/18 MSM 128」のマークが書かれていました。

デコと言うのは、福島県裏磐梯にあるスキー場で、そこでマーキングする何人もが使っているマークです。マークに書かれた「MSM」に驚いたのは私です。知り合いのマークですが、知り合いはフェルトペンによるマーキングではなく、紙のシールを貼っているからです。そのようなアサギマダラが香港で再捕獲されたから驚きでした。「まさか・・・本当に?!」と、ただただびっくりし、ちょっと目を疑ってしまうほどでした。

画像の公開は控えますが、その後、李さんと香港のEmilyさんから情報が入りました。そしてアサギマダラメーリングリスト(ML)の仲間たちと情報の共有が始まりました。その時には詳細はまだでしたが、シールにマークを書いている清水さんと、清水さんと一緒に活動している滝澤さんに、すぐに電話連絡をしました。年配の清水さんは驚きのあまり、その時には言葉になりませんでした。

李さんやEmilyさんを通して、再捕獲したのは香港大学香港ダナイド蝶研究会のメンバー LING博士だと分かりました。私たちは大学の関係者とも連絡を取り合いました。移動情報は、清水さんと一緒に活動している瀧澤さんが、清水さんの代理で出してくださいました。

オスの「デコ 8/18 MSM 128」が、2024年8月18日に福島県耶麻郡北塩原村 桧原荒砂沢山 グランデコスキー場から出発し、2024年12月21日に香港 淺水灣で再捕獲されました。3,016.7kmを西南西方向に124日かけて移動しました。と言う内容です。

ところで、清水さんと瀧澤さんの二人が協力して活動しているのには訳はあります。清水さんの手の指が変形性関節症だということに加え、乱視も重なり、思うように文字が書けないからです。マーキング当初はフェルトペンを利用していたものの、「自分で書いていながら字が分からなくなった」と清水さんは話してくださいました。その後清水さんは、アメリカのオオカバマダラのタグ付け調査のことを知り、マークを印刷した紙のシールを貼ることに切り替えました。

清水さんは毎回、標識地に行く前に紙にマークを印刷し、持参します。1から200番のマークを日毎に用意して、そのシールをアサギマダラの翅に貼って放します。さらに腕には腕章もします。調査していることを周辺に来る皆さんに誤解がないように知っていただくためです。瀧澤さんはそのような清水さんをサポートしており、まさに二人三脚での移動調査を継続しています。

清水さんによれば、過去10年ほどの間に沖縄県でも2例再捕獲されているとのことです。意外と遠くまで移動して再捕獲されたものだと、改めて感心しました。今回は距離は3000kmを超え、移動日数は4ヶ月以上ですから。

香港の LING さんは、アサギマダラを再捕獲して記録したのち、タグ「 (danaidhk): 2104」をつけて放しました。さらに再捕獲の可能性があります。

清水さんは「台湾を通り越して香港だからたまげた。当然体調もあるし、瀧澤君にお世話になるが、楽しみにやっていきたい。ご理解いただけるとありがたい」と、話しています。

引用は、[asagimadara:03833と03836]です。

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