第8回の今回は、初心者がまずやるべきデータの保存と集積方法です。
筆記記録したマーキングデータは、MLなどからの問い合わせに応えるために、まずはそのまま残しておきましょう。私は100円ショップで入手した、クリップ付きのA4かB5の下敷き(クリップボード。表紙もあった方がいたまない)に、1年分をまとめてはさんでいます。
うっかり者の私は、紛失しやすい書類をスキャンしてPDFにするか、スマホのカメラで撮影して、最終日のフォルダ(20220925などの名称にする)に保存しておきます。撮影したら、下端に「撮影済み」と記入しておいてください。その日に撮影したアサギマダラの写真なども一緒に保存しておくといいでしょう。きちんとスキャン・撮影できて、バックアップを頻繁に取れているハードディスクや、マイクロSDカードなどに保存できたら、1年以上前の記録用紙は捨ててもかまいません。いつまでも紙ベースの資料を残しておくと、家の中がちっとも片づきません(笑)。
次にデータのデータベース(DB)化です。使うソフトは、本格的なDBよりも多くの愛好者が使っているエクセルなどの表計算ソフトがよいでしょう。それも有料のエクセルよりも無料のLibreOfficeの方が便利と思います。
LibreOfficeを起動して末尾の標識用CSVファイルか、再捕獲用CSVファイルを読み込みます。CSVは半角コンマで区切られたテキストファイルで、表計算ソフトで読み込むと、各セルに半角コンマと半角コンマの間の文字を入力してくれます。1行目が項目名で、2行目がひな形データです。緯度経度の2行目のように、半角コンマがデータに含まれているものは、「”」で囲まれています。この2行目の雛形データをコピーして、3行目にペーストして、編集してご自分のデータに合わせてください。どんどん行を増やしていけば、DBの完成です。データを追加したら、上書き保存しておきましょう。LibreOfficeのデフォルトのファイル形式でもいいですし、CSVのままでもいいと思います。
ここでアサギマダラ年鑑の説明を行いますので、まず
をご覧ください。初心者とはいえ、マーキングも行い、再捕獲も経験されたあなたは、MLasagiにもデータを提出できるようになりました。すでにアサギマダラ年鑑に書き込む資格ができたと言えるでしょう。
を見ると、再捕獲データが罫線で囲まれています。MLで通知された共通のユーザ名とパスワードでログインすると、左上に「編集」ボタンが現れ、それをクリックすると、編集枠内に
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,標識,標識地,標識者,性別,再捕獲地,標高(m),緯度(北緯),経度(東経),再捕日,再捕獲者,日数,距離(km),備考,報告者,出典(あれば)
,例)IKA 005 NARA 11/10,奈良県金剛山,標識 至,♂,台北市大和葛城山ロープウェイ駅,870,34.3636,135.3121,2020年11月12日,再捕 至,2,5,ヒヨドリバナ訪花,金澤 至,金澤(2020)(架空の雛形データ)
,山ZAO 8/23 TY-02,山形県山形市蔵王中央ゲレンデ,横倉孝徳,♂,台湾基隆市旭丘公園,,25.0852,121.4605,2020年10月17日,頼文龍,55,2275,Facebook青斑蝶刺青會社に椿捲隆さんが投稿された情報,田原富美子、横倉明,asagi:035741、asagi:035868
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と表示されます。wikiの表はCSVのファイル構造と同じで、半角コンマから始まるのです。ご自分が作成されたDBのCSVをペーストすることで、アサギマダラ年鑑に書き加えることができます。また、アサギマダラ年鑑のデータをご自分のCSVに簡単に追加できます。
エクセルで読み込むと、この先頭の半角コンマが自動的に消去されてしまいます。LibreOfficeは残してくれるはずですし、セルの長さも見やすく自動的に調整してくれるでしょう。この2点と無料という理由でLibreOfficeがおすすめです。エクセル形式の保存もできます。
次回は補足と応用を紹介して、このシリーズを一旦終了したいと思います。
再捕獲用CSVファイル(recapturen.csv)ダウンロード
マークのついたアサギマダラを見つけたら -初心者のためのマーキング講座(2)