2022年度のまとめ&2023年度の計画立案会(通称「まとめ会」)のご案内

2023年2 月1日 アサギマダラの会事務局・村上豊

恒例の「まとめ会」開催が決まりました。昨年と同様に、今回もZoomMeetingを利用しておこないますので、遠方の方にも気軽にご参加頂けます。多くの方のご参加をお待ちしています。

開催日程:2023 年 2 月 18 日(土)13:00~17:10
開催方法:Zoom を用いた ON-LINE での開催
参加対象者:アサギマダラの会会員およびアサギマダラ調査に関心をもつ方(非会員可
参加方法:事前に参加申し込みをメールにて発信
      ↓
     事務局より視聴 URL を受信
      ↓
     開催当日に視聴 URL に繋ぐ
開催内容
ミニ・シンポジウム「アサギマダラ個体数の変動要因は何か」
 基調講演・本田計一氏(西条生態学研究所・広島大学名誉教授)
 参加者全員によるディスカッション
研究発表5題
総会

2022 年は各地でアサギマダラが少なかったと言われています。多かった2021年とは何が違っていたのでしょうか。アサギマダラの出現数を決める要因を探ります。基調講演を広島大名誉教授の本田計一氏にお願いしました。

参加の申し込みは、視聴を希望する PC(あるいはスマホ)から、以下のアドレス宛メールにて、本文に必ず「お名前」を記入の上送付してください。また件名は【まとめ会参加希望】としてください。2月 11 日(土)までにお願いします。

jym-0644【アットマーク】zeus.eonet.ne.jp (アサギマダラの会事務局)(【アットマーク】を @ と入力してください)

オスの占有飛翔

昨年(2022年)の10月頃にアサギマダラのメスの占有飛翔らしきものを観察した記事を書きました。この小文では、よく見られるオスの占有飛翔について簡単に紹介します。

私が初めて占有飛翔を見たのは、今から約40年前の10月頃のことでした。大阪府箕面市の瀧安寺の林の中の空間を1頭のオスがクルクルと飛んでいました。多分、晴れた午後早くの時間帯だったと思います。

そこは広葉樹林の中でぽっかりと開けたところで、中央に枯れた高木が1本立っていました。そのアサギマダラは急速な円形飛翔や、8字飛翔をしては、時々中央の枯れ枝で休憩していました。その飛翔の懸命な様子がとても印象に残りました。メスを待ち受けていたのでしょう。

この現象から、移動最盛期にオスは先回りして、林の中の開けた空間で占有飛翔を行い、通過するメスを待って配偶行動を行う、と考えました。そのような日だまり空間では、アサギマダラの食草であるキジョランなどのガガイモ類が芽を出し、メスが飛来しやすいのでしょう。

それからしばらく経ち、観察経験が増えるに従い、占有飛翔らしき飛び方を何回も見ることがありました。箕面市の瀧安寺で観察した典型的な占有飛翔は少なく、アサギマダラのメスが多い、金剛山の林道上空や、滋賀県のびわ湖バレイでは完全に林内で占有飛翔が見られることもありました。たいてい午後でした。

昔、アサギマダラの交尾行動の観察例をまとめたことがありました。交尾行動の時期は季節に関係なく、アサギマダラが活動する期間全般にわたっていました。アサギマダラは休眠性がありませんので、羽化して2週間ほどで成熟すると、一年中配偶行動をするのでしょう。

午前中に吸蜜した後、午後にオスが占有飛翔して、そこにメスがやってきて交尾にいたるのだと思います。それでも交尾できないメスが非常にまれに占有飛翔?を行うのかもしれません。

皆さんはどう思われますか?

明けましておめでとうございます!

遅ればせながら、新年のお慶びを申しあげます。本年もこのブログ、アサギマダラの会をよろしくお願いいたします。

私事ですが、和歌山県に設置した調査所を年末に転居する必要に迫られ、ようやく近くの新居への移転が終了して、機能するようになりました。

コロナ禍の中でしたが、和歌山県での調査所生活も3年が経ち、アサギマダラを愛好する地元の多くの方々と知り合うことができました。和歌山県ではフジバカマ園が続々と開園し、とても盛り上がっています。皆さん、とても熱心で、大阪に比べて地の利もあり、今後の発展がとても楽しみです。

ウサギ年の今年は飛躍の年になるでしょう。みんなでアサギマダラ調査を楽しみましょう。