アサギマダラの会の「2024年度のまとめ&2025年度の計画立案会(通称「まとめの会」)」ご案内

2024年度のまとめ&2025年度の計画立案会(通称「まとめの会」が、以下のように開かれます。

開催日程:2024年4月6日(日)13:00~17:00頃

開催方法:Zoomを用いたON-LINEでの開催

参加対象者:アサギマダラの会会員およびアサギマダラ調査に関心をもつ方  (非会員可)

参加方法:    事前に参加申し込みをメールにて発信

事務局より視聴URLを受信

開催当日に視聴URLに繋ぐ

開催内容: 研究発表 参加者自己紹介と近況報告 総会

参加の申し込みは、視聴を希望するPC(あるいはスマホ)から、以下のアドレス宛メールにて、本文に必ず「お名前」を記入の上送付してください。また件名は【まとめの会参加希望】としてください。3月30日(日)までにお願いします。

会員の方で、総会に参加されない方は議決に対する【委任状】を事務局宛にお送り下さい。

【まとめの会参加希望】および【委任状】の送り先は以下の通りです。

JYM-0644@zeus.eonet.ne.jp

(迷惑メール防止のために、一部大文字表記ですが、@も含めてすべて小文字に変換してください)

(アサギマダラの会事務局)

以上です。

「君はどこへ飛んでいくの?」香港のマダラチョウ研究会のFacebookの投稿 2025年1月

 

日本と香港の架け橋となってくださっている Emily さんからの情報です。

香港のマダラチョウ研究会(Danaid Butterfly Research Hong Kong)は、日本から香港に移動したアサギマダラの英語と中国語の素敵なページの紹介を始めました。

https://www.facebook.com/danaidhk

香港のマダラチョウ研究会は、日本から3000km以上移動した個体を再捕獲して記録した後に、タグを貼って放しました。

「君はどこに飛んで行くの?」と言う期待を込めてです。そのタグを確認することもできます。

Facebook に登録されておられる方は、ご覧になれると思います。

ぜひご覧ください。

 

【アサギマダラ香港へ3000km以上の旅】2024年12月

今年の暮れも迫った12月21日、びっくりするようなニュースが台湾のアサギマダラの関係者から飛び込んできました。なんと「香港でアサギマダラを再発見した!」と言うものです。

香港の友人経由で情報をくださったのは台湾の李さんです。情報には「デコ 8/18 MSM 128」のマークが書かれていました。

デコと言うのは、福島県裏磐梯にあるスキー場で、そこでマーキングする何人もが使っているマークです。マークに書かれた「MSM」に驚いたのは私です。知り合いのマークですが、知り合いはフェルトペンによるマーキングではなく、紙のシールを貼っているからです。そのようなアサギマダラが香港で再捕獲されたから驚きでした。「まさか・・・本当に?!」と、ただただびっくりし、ちょっと目を疑ってしまうほどでした。

画像の公開は控えますが、その後、李さんと香港のEmilyさんから情報が入りました。そしてアサギマダラメーリングリスト(ML)の仲間たちと情報の共有が始まりました。その時には詳細はまだでしたが、シールにマークを書いている清水さんと、清水さんと一緒に活動している滝澤さんに、すぐに電話連絡をしました。年配の清水さんは驚きのあまり、その時には言葉になりませんでした。

李さんやEmilyさんを通して、再捕獲したのは香港大学香港ダナイド蝶研究会のメンバー LING博士だと分かりました。私たちは大学の関係者とも連絡を取り合いました。移動情報は、清水さんと一緒に活動している瀧澤さんが、清水さんの代理で出してくださいました。

オスの「デコ 8/18 MSM 128」が、2024年8月18日に福島県耶麻郡北塩原村 桧原荒砂沢山 グランデコスキー場から出発し、2024年12月21日に香港 淺水灣で再捕獲されました。3,016.7kmを西南西方向に124日かけて移動しました。と言う内容です。

ところで、清水さんと瀧澤さんの二人が協力して活動しているのには訳はあります。清水さんの手の指が変形性関節症だということに加え、乱視も重なり、思うように文字が書けないからです。マーキング当初はフェルトペンを利用していたものの、「自分で書いていながら字が分からなくなった」と清水さんは話してくださいました。その後清水さんは、アメリカのオオカバマダラのタグ付け調査のことを知り、マークを印刷した紙のシールを貼ることに切り替えました。

清水さんは毎回、標識地に行く前に紙にマークを印刷し、持参します。1から200番のマークを日毎に用意して、そのシールをアサギマダラの翅に貼って放します。さらに腕には腕章もします。調査していることを周辺に来る皆さんに誤解がないように知っていただくためです。瀧澤さんはそのような清水さんをサポートしており、まさに二人三脚での移動調査を継続しています。

清水さんによれば、過去10年ほどの間に沖縄県でも2例再捕獲されているとのことです。意外と遠くまで移動して再捕獲されたものだと、改めて感心しました。今回は距離は3000kmを超え、移動日数は4ヶ月以上ですから。

香港の LING さんは、アサギマダラを再捕獲して記録したのち、タグ「 (danaidhk): 2104」をつけて放しました。さらに再捕獲の可能性があります。

清水さんは「台湾を通り越して香港だからたまげた。当然体調もあるし、瀧澤君にお世話になるが、楽しみにやっていきたい。ご理解いただけるとありがたい」と、話しています。

引用は、[asagimadara:03833と03836]です。

【アサギマダラの北海道から本州への移動が3例、北海道内の移動が1例確認されました!】

メールの仕分けに奔走しており、なかなかブログを書けないでいましたが、朗報が飛び込んできました。

アサギマダラの北海道から本州への移動が3例、北海道内の移動が1例確認されました。

石川県宝達清水町、京都府福知山市、静岡県静岡市でそれぞれ「ハコダテ」マークのアサギマダラが再捕獲され、そのほかに北海道内の室蘭市から函館市への「ムロラン」マークのアサギマダラの移動も1例確認されました。

確認されたのはオス2例、メス2例です。

「ムロラン」マークのアサギマダラが函館山で訪花していたのはミゾソバです。山でひっそりと咲く花ですので、あまり目立ちません。花も大きくなく、ほんのりピンクがかった小さな花です。それなのに、アサギマダラは見つけてしまったのですね。道内の記録ですが、嬉しい報告です。

石川県宝達山で再捕獲された「ハコダテ」マークのアサギマダラは出発前も到着後も、交尾痕のないメスでした。七飯町横津岳から宝達山への移動で、日本海側では初記録でした。この後の旅の途中で素敵なオスとの出会いがあったかしらね?

京都府福知山市で確認された「ハコダテ」マークは、松前町勝軍山からのメスでした。新鮮だった個体が少し傷ついていたようです。逞しいですね。メスの再捕獲情報は非常に少ないので、どちらも貴重な記録ですね。

静岡県静岡市で確認された「ハコダテ」マークは、横津岳からのオスでした。新鮮な個体にスレや破れが確認されたようです。自然界の旅は苦難がつきものなのでしょうね。

北海道から本州へ3例と言う、こんなにたくさんの移動が確認されたのは今年が初のようですよ。本当に嬉しいですね。

アサギマダラたちには、今後も無事に旅を続けて欲しいですね。

秋の南紀調査会の案内

アサギマダラの会では、今年も南紀で秋の調査会を開催しますので、参加者を募集しています。

昨年は台湾の澎湖島の小学校の修学旅行を兼ねて、台湾のアサギマダラ愛好者らが来日され、共同調査を行いました。活発な交流が行われ、楽しい時間を過ごすことができました。

今年は台湾からの訪日ではなく、香港からの参加の可能性があります。

調査会の詳細は参加者で相談して決定しますが、次の案が浮上しています。10月27日のアサギマダラ祭りは確定ですが、計画は変更可能です。

10月26日(土) 探索組:日の岬、標識専念組:日高町西山→午後:印南町切目神社、晩:アサギマダラの移動に関する意見交換
27日(日) イベント組:上富田町興禅寺アサギマダラ祭り、標識専念組:下鮎川フジバカマ園(→田辺市龍神村殿原フジバカマ園)、晩:宴会
28日(月) 潮岬

日の岬、潮岬では、アサギマダラをはじめとする多くの昆虫が海に出ます。切目神社にはスナビキソウの不思議な大群落があります。晩の意見交換会では、アサギマダラの調査の未来について語り合う予定です。27日の意見交換会・宴会ではフジバカマ園の白絹病対策について話し合いましょう。

アサギマダラの会の会員でなくても参加できます。初心者も大歓迎です。特に、車で同行参加される希望がありましたらありがたいです。金澤の車には香港勢が乗り、その参加者も増える可能性があります。

参加を希望される方は、私への電子メールでお知らせください。全日程でなくても、1日だけの参加でもかまいません。車がなくてもいいです。相談しましょう。香港勢が参加すれば外国との交流の絶好のチャンスです。

よろしくお願いいたします。

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Itaru KANAZAWA (金澤 至)
p.niphonica@gmail.com

アサギマダラの会の会誌Paranticaの公開

本会の会誌Paranticaは、現時点で9巻1号までが発行されていますが、発行から2年後に公開され、次のリンク、URLから検索可能なテキスト付きPDFがダウンロードできることになりました。

ParanticaのPDF

https://www.asagi-org.jp/~asagi/asagipara/

アサギマダラの文献調査にご活用をお願いいたします。

ホームページのリンク集にもリンクを記載しましたので、しばらくすると検索ページにも表示されるようになると思います。

本会は会誌Paranticaの他にも、会員向けの連絡誌「We love! アサギマダラ情報」なども発行しています。それらも徐々に公開する方向で準備を進めております。

ご期待ください。

フジバカマ園・アサギマダラの愛好者の集まり

私が調査所を設置している和歌山県でも、数年前から公共の公園や休耕田にフジバカマ類を植栽して、アサギマダラを誘引する団体や個人が増えてきました。個人的に庭にフジバカマ類を植栽する方は、昔から多くおられました。そこで再捕獲したアサギマダラの報告は時どきいただきました。しかし、休耕田や公園などの共用スペースに植えることが、最近とても増えた気がします。

2枚とも和歌山県上富田町興禅寺アサギマダラの丘

和歌山県でも、日高町西山、上富田町興禅寺、和歌山市四季の郷公園など、数か所に植栽され、フジバカマ類の植栽方法やアサギマダラの標識方法などの質問を多くいただくようになりました。これは日本全国の傾向と思います。

各地からの質問に個別にお答えするのが大変なために、年数回集まって情報交換会を開催し、日頃は電子メールの「全員に返信」で情報交換を行っていました。昨年1年で参加者が15名ほどになり、さすがに「全員に返信」では、メールアドドレスの漏れが心配になってきました。それでメーリングリスト(ML)を考え始めました。

アサギマダラ関係のMLには、アサギマダラなどの移動昆虫のML (asagi → asagimadara) があります。アサギマダラ関係のMLとしては、最も早くに始まり、参加人数が最多です。アサギマダラの再捕獲情報(と標識情報)は、ここに報告すべきと思います。しかし、最近サーバが変更になって1日あたりのメール数が制限され、アサギマダラの再捕獲の最盛期の10~11月には、送信されないメールが多発するようになりました。エラーメッセージも返らない仕様のようで、とても困る事態が生じています。対策を苦慮しているところです。

訪花植物とはいえ、アサギマダラ関係の情報ですから、asagimadaraMLへ流すのが理想と思います。しかし、現状では通信量を増やすことはできません。そこで、グーグルグループのMLを活用することになりました。フジバカマ園・アサギマダラ愛好会がそれです。今年の1月に開始されました。再捕獲情報(と標識情報)は、なるべくasagimadaraMLへ流すこととして、こちらは訪花植物関係の情報に限る予定です。あるいは、両方のMLへ発信することにしましょう。

フジバカマ類の白絹病と連作障害の対策、スイゼンジナ類の栽培方法などが主な内容です。これらの情報は、日本全国のフジバカマ園、スイゼンジナ園でも必要な情報でしょう。そこで、和歌山県に限らず、日本全国、あるいは外国からでも参加できるように公開されています。参加は無料です。

参加されたい方は、p.niphonica@gmail.comまで、「フジバカマ園・アサギマダラ愛好会へ参加希望」という本文のメールをください。登録させていただきます。やはり、メールで届くと読みやすいと思います。MLのメールは公開ですから、詳しい住所や、電話番号などは署名欄から削除して発信してください。

よろしくお願いいたします。

 

2023年度のまとめ&2024年度計画立案会(通称「まとめの会」)プログラム

本会のまとめの会の内容が明らかになりました。Zoom Meetingによる開催で詳細は次のようです。アサギマダラに関心のある方は、どなたでも視聴できますので、最下段のメールアドレスに「まとめの会参加希望」というタイトルで、本文にお名前と、参加視聴するPC等のメールアドレスを書いて3月17日までに送ってください。総会については、非会員はオブザーバー参加になります。

アサギマダラの会
2023 年度のまとめ&2024 年度計画立案会(通称「まとめの会」)プログラム
 日時: 2024 年 3 月 24 日(日) 13:00~17:00
 様式: Zoom Meeting によるオンライン開催
 参加者: 本会会員および会員外でアサギマダラに関心のある者(ともに事前の参加申し込みメールが必要)
 内容:
  13:00 開会・諸連絡・ Zoom 使用上の案内など
  13:05 会長挨拶 10 分
  13:15 【研究発表①】金澤至氏 30 分(質疑時間含む 以下同じ)
  『台湾勢への対応報告』
  『マーキング DB 構築の試案』
  13:45 【研究発表②】湯田冴氏 30 分
  『マーキング解説用 youtube 動画の試作』
  14:15 【研究発表③】佐藤元氏 30 分
  『蝶の道』
  14:45 休憩 15 分
  15:00 【研究発表④】安川憲氏 30 分
  『標識調査-奄美群島を中心として-』
  15:30 【研究発表⑤】土居咲貴氏(大阪公立大学大学農学研究科修士1 年)30 分
  『数種のマダラチョウ種に対するマダラヤドリバエの寄主適合性に関する研究-マダラチョウの移動性と天敵に注目して-』
  16:00 参加者全員による自己紹介と近況報告
  16:30 総会(30 分)
  17:00 閉会

迷子のアサギマサラ2「ナガノ NHP」「のっぺ NHP」どこから来たの?

◎ すべて標識者が判明し、記録に含めることができました。皆様のご協力、大変有難うございました。 2024年12月28日

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迷子のアサギマダラの続編です。

アサギマダラの全国調査をしているMasuzawaさんから、「ナガノ」マークの迷子のアサギマダラに関係して、画像と追加情報を提供していただきました。

追加情報として、以下の「ナガノ」マークも2023年に再捕獲されていました。

「ナガノ」マークは、全国各地で再捕獲されているようですが、いまだに標識者も標識地も判明いたしません。長野県内での標識だろうと思われますし、「NHP」は標識者のマークと思われます。

お心当たりの方はコメント欄などでぜひご一報をお願い致します。

和歌山県の低地にもアサギマダラが下りてきました!

昨日(10月4日)、急に気温が低下したせいか、和歌山県の低標高地にもアサギマダラが姿を現しました。

朝に田辺市龍神村殿原のフジバカマ園(標高360m)のコバノフジバカマの花に訪花したオスの写真を、管理者の杉本町子さんから送っていただきました。また、午後14時頃に日高川町美山支所前(標高150m)を飛ぶアサギマダラを目撃しました。この2点から、確実に低標高地に下りてきていることがわかります。

和歌山県の今年のアサギマダラについては、北上の季節である初夏には特に目立った目撃記録はありませんでした。8月末に次の新聞情報がありました。

旅するチョウ「紀州の屋根」に 晩夏の護摩壇山にアサギマダラが

護摩壇山山頂付近のヨシノアザミ

飛来、和歌山

護摩壇山のヨシノアザミの花が開花し始めて、8月28日にアサギマダラが集まっている(標高1200m付近)、という情報です。例年では、10月上旬に多数が通過するのですが、約1か月も早い出現です。9月下旬にこの記事を見つけて、私も慌てて護摩壇山に調査に行きました。

9月24日に白馬(しらま)林道を走って、「ごまさんスカイタワー」まで行きましたが、アサギマダラの姿を見ることはできませんでした。翌日、護摩壇山山頂に登っても、ヨシノアザミは開花していましたが、おりませんでした。

スカイタワー近くのスカイライン沿いにオタカラコウが開花していました。紀伊民報の写真では、9月中旬にオタカラコウに訪花しているアサギマダラが見られます。この日は姿を見ませんでした。

スカイタワー近くのオタカラコウ

10時頃に森林公園案内所近くで2頭目撃し、帰りに龍神スカイラインへ少し戻ったところでも2頭目撃しました。案内所の管理人は、アサギマダラが訪花するヨシノアザミを刈らないように注意しているそうです。8月末~9月下旬の間に少ないながらも数頭のアサギマダラが、オタカラコウや、森林公園のヨシノアザミに訪花し続けていたのではないか、と想像しています。これらのアサギマダラは、紀伊半島のイケマ、ガガイモなどのガガイモ類で育ったもので、日中でも25度以下の適温である山頂付近で上下動をしていたのでしょう。

標識したアサギマダラのオス

帰路の有田川町川合白井山の白馬林道(標高858m付近)で、ヒヨドリバナに集まってくるアサギマダラ6オスを標識しました。9月25日にはこのあたりまで下りてきていたことがわかりました。記録はアサギマダラ年鑑の2023年・和歌山県・標識で見ることができます。

秋の本格的な移動シーズンを迎えた和歌山県では、次のイベントが予定されています。

10月14日(土) 10時~ 「アサギマダラ祭り・小町カフェ8周年」(田辺市龍神村殿原のフジバカマ園)

10月22日(日) 10時~ 「第2次観察会:アサギマダラ西山観察会」(日高町西山アサギマダラの谷、参加受付終了)

10月29日(日) 10時~ 「アサギマダラ祭り」(上富田町市ノ瀬だるま寺)

いずれも移動の最盛期に開催されます。満開のフジバカマ類の花と訪れるアサギマダラを見に、あなたも出かけてみてください。マーキングをされる方は、撮影している人の邪魔をしないようにお願いいたします。