アサギマダラの初見情報:徳島県阿南市

大原賢二さんを通して、徳島県阿南市椿町の米山喜義さんからの初見情報がアサギML[asagi:04034]に届きました。

米山さんは、2022年4月19日14時頃、徳島県阿南市椿町須屋でスイゼンジナに飛来したアサギマダラを目撃したとのことです。

捕獲はできなかったとのことですが、大原さんの話では「飛来なのか,近くのキジョランからの発生個体か・・はわかりませんが、徳島県での2022年の春の第1号」とのこと。

先日は九州からのご報告でしたが、やっと四国で見ることができるようになったのは嬉しいことですね。

ちなみに、2021年の徳島県同所での所見情報は、4月23日となっています。アサギマダラの会の村上豊さんの調べた「We love ! アサギマダラ情報 291」3ページによりますと、2021年は「+4」なので、ここ3年間は以下のような記録となるようです。

「2020年4月19日、2021年4月23日、2022年4月19日」

実は米山さん、とっても頑張っておられて、2021年10月19日に、長野県軽井沢町長倉 花咲山蝶の楽園から土屋正治さんが標識した雄の個体「カル 7 9.30 208」を椿町須屋で再捕獲してくださっています([asagi:02208])。土屋さんが大変喜んだのは言うまでもありません。

アサギMLに寄せられた米山さんからの情報はもっともっとあり、書ききれません。

北上の個体も南下の個体も見ることができるとは、須屋はとってもいい環境なのでしょうね。

米山さんのマークは各地で再捕獲されたり、各地のマークを米山さんは再捕獲してくださっています。これからもっともっとアサギマダラが須屋で確認できるかもしれません。楽しみですね。

大原さん、米山さん、ご協力大変ありがとうございました。

フジバカマの新芽が出ました:長野県小谷村平間

九州方面からアサギマダラの初見情報が寄せられていますが、各地のアサギマダラの食草や吸蜜植物の成長具合も気になるところですね。

長野県小谷村のおたりアサギマダラの会の赤沼志保さんと4月10日に、小谷村に行った時には、「雪解けのフジがカマ畑:長野県小谷村平間」に書きましたように、まだ秋の訪花植物の一つでもあるフジバカマの新芽を確認できませんでした。

雪解けのフジバカマ畑:長野県小谷村平間

しかし、19日に丸山里香さんが平間の花畑に出向いてくださり、こんな情報を寄せてくださいました。

「今日平間のフジバカマの様子を見てきました。
西側斜面の花畑で3センチ位の芽が出ていました。
上の段の大きな畑は雪解けが遅かったようでまだ芽が出ていません」。

画像も添えられていました。枯れた茎の間からニョッキリと顔を出していますね。

《丸山里香さん提供》

丸山さんは「吉澤さんに初見日の話をして見かけたら日時を知らせてくださいとお願いしてきました」とのこと。吉澤さんは、フジバカマ畑のオーナーです。

長野県にもアサギマダラが来るのが楽しみですね。5月連休明け頃からかしらね?

丸山里香さん、情報提供を有り難うございました。

アサギマダラの初見情報:長崎県長崎市小浦町

長崎県から18日、今季3頭目の初見情報がアサギMLに寄せられました。情報を提供してくださったのは長崎市の吉田政和さんで、[asagi:04033]に、スイゼンジナで吸蜜する、綺麗なオスのアサギマダラの画像が添付されていました。

翅のスレもなく、白い縁毛がはっきりしていますので、羽化後、そんなに経過していないのかも知れません。どこから来たのでしょうね?

実は私もアサギマダラ仲間からスイゼンジナの苗をいただき、大事に育てていたのですが、冬の寒さで枯らしてしまった経験があります。花を見ることもなく、とっても残念でしたが、この画像から花の様子まで観察することができ、大変嬉しく思いました。

吉田さんのご報告では気温17.5℃、曇りとのことです。アサギマダラはこのくらいの気温が好きなのでしょうね。

吉田さんは今回マーキングできなかったようですが、「昨年、初めて6頭をマーキングしました。今年は、もっと数を増やします。どこに飛んで行くのか判ったら嬉しいです」と、伝えてくださいました。北上の記録は少ないだけに再捕獲されたら嬉しいですね。

吉田さん、標識情報を楽しみに待っています。マーキングしましたらマークを教えてくださいね。ご協力大変有り難うございました。

雪解けのフジバカマ畑:長野県小谷村平間

こんにちは。初めまして。

長野県の田原です。よろしくお願いいたします。

鹿児島県屋久島からは、アサギマダラの標識情報が届いていますが、雪解けの長野県小谷(おたり)村平間にあるフジバカマ畑の様子をご紹介いたしますね。アサギマダラ仲間の赤沼志保さんと4月10日訪ねてみました。

小谷村は長野県北部に位置する新潟県境の村です。まだ所々に雪が残っていましたが、フクジュソウと一緒にスプリングエフェメラルのアズマイチゲ、キクザキイチゲなどの花が咲きだしていました。

おたりアサギマダラの会の丸山里香さん(左)と赤沼志保さん

まずは会長の丸山里香さんにお会いし、今季の積雪をお聞きしてみました。何と言っても小谷村は長野県下有数の豪雪地帯だからです。

丸山さんは「この竹竿が隠れるほど積もった」と、畑に立てた竹竿の横に立って下さいました。竿は少なくとも地上1.8mはあります。どうやら2mほどの積雪があったようでした。驚異的な雪の量ですね。

でも、そのような小谷村でも、2021年のアサギマダラの長野県外への移動記録は81例(77個体)と、長野県内の市町村でトップだったのです。

その理由は、当然アサギマダラが移動して、各地の皆さんによって再捕獲されたからに他なりませんが、丸山さんが引き受けてくださっている、村内の関心ある皆さんの代理を含むたくさんの報告のご苦労と、赤沼さんを含む会員たちが行っているフジバカマの植え替えや畑とその周辺の維持管理があってのことなのです。

さて、丸山さんに話をお聞きした後、赤沼志保さんとおたりアサギマダラの皆さんが管理している平間のフジバカマ畑に行ってみました。オーナーの吉澤忠さんともお会いでき、お話をお聞きすることができました。

「今年は雪が多くて、2メートルも降ったよ。今日、信男君たちが、野焼きをしてくれたよ。フジバカマはまだ新芽が出ていないけど、きっともうすぐだよ・・・」と、吉澤さんは足の痛さも忘れて畑を案内して下さいました。

フジバカマの新芽を待つオーナーの吉澤忠さんと、赤沼志保さん

この畑のあるところからは、北アルプスの爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳が見えます。画像で奥にうっすら見えているのがそれです。

さらに、畑の下の方にはJR西日本大糸線の線路も走ります。実は赤字路線のため、そろそろ廃線になるという話も出ています。その線路脇には、日本海につながる姫川も流れているんです。実に見晴らしの良い畑なんです。

野焼き後の土手

上の画像は一段上の畑の土手です。芝のような土手の一部が黒っぽく見えるでしょう。当日朝、会員が野焼きをしてくれたそうです。野焼きは、地上の害虫の卵などを駆除する効果があるようで、北アルプス山麓の各地で、3月下旬から4月にかけて行われています。

フジバカマの株の脇に咲くアズマイチゲ

フジバカマ畑には、スプリングエフェメラルのアズマイチゲが咲いていました。まだフジバカマの新芽は出ていませんでしたが、愛らしい花ですね。

雪解けのフジバカマ畑

フジバカマは5株ほどを一緒に植えます。花が終わった秋には刈り込みますので、株だけがわずか10センチほど残ります。見えますね。実はこうした株に春の北上のアサギマダラが来ることがあるそうなんですよ。これは一段上の畑です。

新芽を探す赤沼志保さん

この日は20℃以上の気温となり、とっても暖かく、たくさんの花が一斉に咲き出していました。黄色いフクジュソウ、白いアズマイチゲ、白や薄紫のキクザキイチゲ、薄紫のタチツボスミレ、フキノトウ・・・。待ちに待った春の始まりですね。

フジバカマ畑に咲くアズマイチゲ

この畑は斜面になっています。一番最初に吉澤さんが一人でフジバカマを植えた畑です。

2年後くらいでしょうか、おたりアサギマダラの会ができました。会員たちによって写真の右上に見える土蔵の左側(野焼きの土手の下の平な畑)にもフジバカマを増やしました。フジバカマが増えたからでしょうか、2020年、2021年とアサギマダラの乱舞を経験しました。

4人で一日中マーキングしても、まだまだたくさんのアサギマダラが舞っていました。会員たちも吉澤さんも大喜びしたことは間違い無いのですが、実はそれだけではなく、2020年には台湾での再捕獲も経験しました。

そんな小谷村から丸山さんと赤沼さんが、またフジバカマ情報などを発信してくださると思います。楽しみですね。

各地の情報もぜひお寄せ下さい。

2022年4月12日