挿し芽のスイゼンジナに根が出てきました:長野県北アルプス山麓

またまたスイゼンジナの話で恐縮です。

茎をカットしてペットボトルに入れておけば根が出るとお聞きしていましたので、早速挑戦してみました。長野県とは言え毎日30度超えが続く夏のちょっと涼しい室内です。季節的に良いのか悪いのかも分かりませんが、何と言っても挑戦ですから季節は問いませんよね。

7月23日に例の株から一本の茎をカットし、下の葉っぱを数枚取り除き、写真のように水だけ入れたペットボトルに挿しておきました。葉っぱも捨ててはもったいないので、小さな瓶に入れて様子を見ていました。

8月1日。何か白いものが茎から出ているような・・・でも根とは思えないし・・・そんな訳で写真も撮らなかったのですが、2日によくよく見ると白い根が伸びているのを確認できました。

それぞれを拡大してみますね。

茎から数ミリの根が出ているのが見えるでしょう。やっぱ、根だったんですね。何もしないで放っておいて10日目です。

 

もう一方の葉っぱの下の葉柄からも根が出ています。この方が分かりやすいですね。

まさか葉っぱからも根が出るとは思わなかったのですが・・・ひとつの葉っぱからこんなにもたくさんの白い根が出ていました。

 

翌日の3日(11日目)の画像から、根の成長の速さをご覧ください。たった一日でこんなに伸びるんです。しかも夜の間に伸びていたんです。

 

葉柄の方はこちらです。

別の葉っぱからも短いですが根が出ていますね。たった一晩で数ミリの根が伸びました。ちょっと感動的ですよね。

 

根を出させるためには光を遮断しないといけないのかなとか、水を毎日替えないといけないのかなとか、実は色々考えたんです。でもアサギマダラの調査で山に通うことで忙しくて、そう立派な言い訳をして、放って置いたらこんな感じになっていたという訳です。

知識もない、世話もしないこんな私でも、とりあえずここまではできました。

気を良くしてさらに2本の茎をカットして、2つのペットボトルに入れてみました。さて、どうなるかしらね?

 

小学生の時にこんな宿題が夏休みにあったら、きっと楽しくっていっぱいいろんな植物を挿し芽したんだろうなと思いました。よろしければお子さんとご一緒にやってみられませんか?

スイゼンジナの花が咲きました:長野県北アルプス山麓

先日成長をアップした「スイゼンジナ」ですが、今朝花を咲かせました。初めて見る花に感動しています。

茎が伸び、横に広がるので、昨日細い支柱を4本鉢の中に立て、麻ひもを2段にして巻きつけ、その中に葉っぱが収まるようにしてやりました。縦に伸びたほうが扱いやすいですものね。いかにも素人のやり方で笑われそうですね。

今日の北アルプス山麓の平野部では晴れたり曇ったり。時々小雨がぱらぱらしていますが、山は厚い雲で覆われ、標高約1000m以上は北から南まで一列に延びたような雲ですっかり覆われています。朝から昼にかけての大町市の降水確率が60%でしたので、おたりアサギマダラの会の友人と3人で計画していたマーキングのための山行きを断念した日でした。

それでも10時半頃にはちょっと日差しがあったので玄関を開けると、薄オレンジ色で直径2cm程度の花が2つ咲いていました。

開花を待ちわびていたのは私だけではなく、スイゼンジナの方だったのかも知れません。

こんな北アルプス山麓で、よく花開いてくれました。

午後の気温は26℃くらいですが、曇ってきましたら、花がしぼんできました。花が開いたり閉じたりするんですね。活きている証拠です。

アサギマダラが惹きつけられる香りなんだから・・・と思いながら、そっと鼻を近づけてみました。お世辞にも決していい香りではなかったですが、アサギマダラにとっては、きっと魅力的な香りなんでしょうね。

家から北アルプスがある西山には直線距離で2km、東山には3km。ある程度山に近いとはいえ、ここでアサギマダラを見たのはほんの一回だけです。

庭のフジバカマの種が舞って、数メートル離れた場所に芽を出し、それほど大きくなっていないのに花が咲いたフジバカマへの訪花がたった一回あっただけです。

他の大きな花は日当たりがいい場所だったのですが、小さな花は、葉っぱが茂ったコブシの樹の下でしたので、アサギマダラにとっては日陰が心地よかったのでしょうね。

さて、アサギマダラが来るためには、このスイゼンジナをどこに置くのが一番いいんでしょうね?コブシの木の下か、それとももっと日当たりが良いところか?

でも、「水前寺菜の地元熊本よりアドバイス」として、Facebookの松本公一様から肥料のことなどを教えていただいたので、まずは肥料をあげないといけませんね。そして、アブラムシも付くようなので、竹酢もそろそろ用意しないと・・・

とにかく皆さんに教わりながらやってみますね。松本様、熊本からのアドバイスを有難うございました。

スイゼンジナの育成に挑戦:長野県北アルプス山麓

一週間ほど前から、またスイゼンジナの育成に挑戦しています。

最初の2回は、いただいた苗から育てたのに、花を見ることもなく、越冬させることもできずに枯らしてしまいました。

そんなこともあって、まったく自信がなかったのですが、ご親切な方から7本に枝分かれして15-20cmほどに育ったスイゼンジナを1株いただき、3度目の挑戦を始めました。

いただいた当日の写真は撮っていませんが、一気に成長した今のスイゼンジナを撮影しましたのでご紹介しますね。

雨が多いので、水やりは時々なのですが、長野県北アルプス山麓の標高600m付近とはいえ、ここのところ暑くて35℃近くにもなります。そのせいか、こんなにも茎が伸びました。

いただいた時には蕾は固かったのですが、今はもうすぐ咲き出すくらいに頭が黄色くなってきました。

「アサギマダラが好む香りってどんななんだろう」と、鼻を近づけてみたんですよ。でも私には微妙な香りが分かりませんでした。花には独特の匂いがあるようなんですけど、きっと私が鈍感なんでしょうね。

黄色い蕾の下には、まだちょっと固い蕾もありますね。

 

もう一つの枝の蕾も色づいてきました。

2、3日で咲くのでしょうか?

こっちはまだ固い蕾ですが、もうちょっとで先が色づきそうですね。

今年は初めて花を見ることができそうで、ほんとに楽しみです。

 

実は、長野県でスイゼンジナを育てているという人に10年以上前にお会いしましたが、お聞きするとハウス栽培だとのことでした。

葉っぱには栄養があってすぐれものの野菜みたいですが、北アルプス山麓は1月下旬から2月下旬にかけては氷点下10℃以下にもなり、土も凍ってしまいます。そんなところでは、ヒーターを入れたハウス栽培しかできません。

暖かい地方の植物を育てても、みんな家の中に入れないと越冬できないので、玄関前の廊下は鉢物だらけになってしまいます。そんな状況が数ヶ月続きます。

でも、「こんなところにもアサギマダラが来るかも知れない・・・」と、淡い希望を抱きつつ、今回は3回目の挑戦をしたというわけです。

育て方、増やし方も教わりました。冬の間は茎を斜めに切ってペットボトルに入れておくだけでいいんだそうです。確かに冬は水も腐りにくいので、頻繁に水の交換をしなくても良さそうですね。

その間に勝手に根が出るようです。ずぼらな私にもできそうです。

暖かな春になったら、土を入れた鉢に植えるのだそうで、そうやって枝の数だけ増えるのですね。とにかく何とかやってみます。

 

これとは別に、松本市の園芸店でスイゼンジナの別名の金時草も販売していたので一ヶ月ほど前に苗を求め、標高900mの朝日村の管理地に2株植えてみました。金時草は花が咲かないとお聞きしていたので、アサギマダラを誘引するかどうか分かりません。こっちはダメでもともとです。

金時草はどんなにスグレモノの野菜でも葉っぱを食べるのが目的ではなく、そこに頻繁に通えるわけでもないので、行った時に葉っぱを鑑賞するだけになりそうです。

スイゼンジナの方はまた時々報告できればと思っています。

ヒレハリソウ(コンフリー)に訪れた翅がボロボロのアサギマダラ:長野県朝日村

ヨーロッパ原産でムラサキ科の帰化植物ヒレハリソウ(コンフリー)をご存じでしょうか?明治時代に日本に入ってきて、家畜だけではなく人間も天ぷらなどで食用としていた過去の野菜です。そのコンフリーに近年アサギマダラが訪れており、今年もオスの個体を6月1日に確認しました。

(ヒレハリソウ(コンフリー)の周辺を舞う翅がボロボロのアサギマダラ♂:長野県朝日村 2022.6.1)

ボロボロになった翅の様子からして、きっと暖かい地方から、幾つもの山を越えて長野県にやってきた個体だろうと思われます。これがコンフリーの周辺に訪れた個体です。

コンフリーは、恐らく日本各地にどこにでもあるだろうと思いますが、長野県中央部の西側に位置する朝日村でも、どこということもなく点在しています。5月下旬から6月にかけて、薄紫の花を咲かせ、道端や耕作放棄地、家の庭のようなところでよく見かけます。

食べられると聞いていたので、過去に天ぷらにして食べたことがあります。ウドなどの山菜には独特の風味があるのですが、コンフリーにはクセがなく、美味しいわけでもまずい訳でもありませんでした。

でも、そのコンフリーはアルカロイドを含むということで近年は口にすることもないのですが、多年草なので抜かない限りその場所で毎年花を咲かせているのです。

実はそのコンフリーにアサギマダラが来ることを知ったのは2016年のことです。朝日村の実家の庭のコンフリーで、アサギマダラのメスが吸蜜していたからです。

(コンフリー(ヒレハリソウ)で吸蜜するアサギマダラ♀:長野県朝日村2016.6.1)

アサギML(メーリングリスト)で情報を流しましたところ、広島の本田計一先生から「そちらにまだ沢山生えているのなら、オスが集まるかどうかなど(刈り取って乾燥させた方がベター?)調べてみられると面白いと思います」と、お返事いただくことができました。

本田先生にお聞きしましたように、自宅の柿の木の下に、刈り取ったコンフリーの葉っぱを束にして吊るしておきました。コンフリー自体の葉っぱの匂いは、生よりは乾燥の方が強くなっているのを感じることができました。でも、吊るした時期が悪かったのか、山際の家ではないためなのか、アサギマダラは来ませんでした。

その後、北アルプス山麓周辺でコンフリー調べを行いました。行った先々で出会ったら写真撮影して記録した程度ですが、小谷村、大町市、生坂村、松川村、松本市、朝日村など、どこということなく点在するのですが、まとまってある訳でもなく、その周辺をアサギマダラが乱舞する訳でもありませんでした。

実家から持ってきた自宅のコンフリーは数年間そのままにしていましたが、アサギマダラが来ないために5、6株あった株を1株だけ残して昨年抜いてしまいました。

一方、実家の朝日村へは、時々庭や畑などの管理のために出向いており、葉っぱを乾燥させて吊るすまでもなく、コンフリーの枯れ葉は地面にそのままにして、放置していました。近所の家などにもコンフリーがあり、それもそのままの状態でした。

そうした状況の中、昨年5月25日、朝日村の実家の庭でコンフリーの周辺を舞うアサギマダラのオスを観察できました。花が咲き出してからのことです。

(コンフリー(ヒレハリソウ)の周りを飛翔するアサギマダラ♂初見:長野県朝日村2021.5.25)

吸蜜する訳でもないのですが、花の周辺や根元付近を何かを探しているかのようにぐるぐると回りながら舞っているのです。

(コンフリー(ヒレハリソウ)の周りを飛翔するアサギマダラ♂初見:長野県朝日村2021.5.25)

枯れ葉を根元にそのままにしていたので、その乾燥した匂いに引き寄せられたのかも知れません。

今年も草取りなどで朝日村通いを続けていますが、5月には期待していたアサギマダラを確認できないでいました。

しかし6月1日の昨日、庭に乗り入れた車に驚いたようにアサギマダラが一頭、舞い上がりました。その後どことはなしに姿を消してしまいました。また来るかも知れないと期待していた頃に、コンフリーの周辺を翅を忙しく動かして舞うアサギマダラを見つけ、撮影することができました。

(ヒレハリソウ(コンフリー)の根元付近を舞う翅がボロボのアサギマダラ♂2022.6.1)

昨年に引き続き、オスが2回来てくれました!

今年も、枯れて腐りかけたような葉っぱは根元周辺にそのままにしています。その匂いに惹きつけられたのでしょうか?

オオブタクサの新芽も伸び出している、そんな庭にも来てくれたことは嬉しいことです。ネットは車に入れていますが、カメラでの撮影が精一杯で、マークがないことを確認できただけです。

翅の下側がたくさん欠けて、ボロボロになっていました。きっと苦労しながらの北上の途中で立ち寄ってくれたのでしょうね。昨年より7日間遅い、6月に入ってからの確認でした。

長野県ではすでに軽井沢町、宮田村、小谷村、大町市、伊那市、大鹿村などから初見情報が寄せられています。さらに北海道奥尻島からの初見・標識情報も5月中に寄せられています。

引き続き国内各地で観察されたり、マーキングされたりするでしょうね。今後の皆さんからの情報を楽しみにしております。

このオスのアサギマダラにちょっと期待します。素敵なメスと出会えますように。

最近のアサギマダラ関連のWebニュース

最近のアサギマダラ関連のWebニュースを拾い集めてみました。多くの記事は一週間ほどで削除されると思われます。

 

  • アサギマダラ、優美な姿紹介 善通寺で写真展(47NEWS四国新聞(2022年5月28日(土) 会員限定)

https://www.47news.jp/localnews/7840672.html

 

台湾からアサギマダラ飛来 龍郷町長雲峠で再捕獲 マークで判明 南西諸島への北上記録、初の可能性 (Yahoo! Japanニュース ・株式会社奄美新聞社2022年5月27日(金))

https://news.yahoo.co.jp/articles/ead71100be28140a4175bfd3a03bdab2de1d39e8?fbclid=IwAR3rjzRvJPZI-k9JBNA6ZJGBGK-rxa_bQgiQjCxeSVyVzIfkuJpVwTEukms

 

  • 台湾からアサギマダラ飛来 龍郷町長雲峠で再捕獲 マークで判明 南西諸島への北上記録、初の可能性 (奄美新聞社2022年5月27日(金))

https://amamishimbun.co.jp/2022/05/26/38012/?fbclid=IwAR1KstfrV1W10_wEDqAH8f4a_S_5FaqbOEfsf4oZOASk0DQe3sSx5QzVBL0

 

・列島縦断「旅するチョウ」1200匹が島で一息 飛来のピーク 大分 (TOS テレビ大分 2022年5月26日(木))

https://news.yahoo.co.jp/articles/d0ac83c38eae1c863a0e8ba33a9b1e572dc6cedf

 

  • 優雅に舞う「アサギマダラ」 宮崎市の民家にチョウの楽園 宮崎県(宮崎ニュース UMK 2022年5月24日(火))

https://news.yahoo.co.jp/articles/9f0ab403c4e73afd136457518698b15a7ecc097f

 

・ 2000キロを旅するチョウ 羽休めのポイントづくり 好物の花「フジバカマ」を小学生が植栽 (Yahoo! Japanニュース ・OBS大分放送 2022年5月24日(火))

https://news.yahoo.co.jp/articles/9f84e94c53f14d002de5f0d9b06c33c10e925084

 

2000キロを旅するチョウ 羽休めのポイントづくり 好物の花「フジバカマ」を小学生が植栽 (OBS大分放送 2022年5月24日(火))

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/obs/52837?display=1

 

  • 北へ行くのよ…旅するチョウ、アサギマダラ飛来 南さつま (南日本新聞2022年5月13日)

https://373news.com/_news/storyid/156018/

 

  • 喜界島のアサギマダラ徳島県で発見 昆虫愛好家、福島さんマーキング (南海日日新聞社2022年4月28日)

https://www.nankainn.com/news/weather/%E5%96%9C%E7%95%8C%E5%B3%B6%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%82%AE%E3%83%9E%E3%83%80%E3%83%A9%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E3%81%A7%E7%99%BA%E8%A6%8B%E3%80%80%E6%98%86%E8%99%AB%E6%84%9B%E5%A5%BD%E5%AE%B6

 

  • 旅するチョウ「アサギマダラ」 だれが放した? 鹿児島県本土→奄美大島・喜界・沖縄 羽にマーキングの3羽 (南日本新聞2022年3月07日

https://373news.com/_news/storyid/152670/

 

北上の新たな記録生まれる:台湾から鹿児島県奄美大島にアサギマダラ移動

この報告をずっと待っていたんですよ。

ついに台湾からのアサギマダラが7年振りに日本で再捕獲されたのです!北上の数少ない新たな記録が生まれました。

李信徳さんが426日、台湾陽明山国立公園・大屯自然公園で標識した「05YMS 4/26, 4/26 uT 05」が、鹿児島県奄美大島龍郷町で5月25日、安川憲さんによって再捕獲されました。オスの個体で、29日間で878.5 kmの移動です。安川さんが、Facebook アサギマダラ・マーカーの広場に掲載してくださっていますので、ぜひご覧ください。

安川さんが報告された「YMS」のマークを見た時には、胸が躍りました。「YMS」は、台湾の陽明山で使っているマークだからです。台湾から日本に移動して記録された例は、私の記録では今回の記録を含めてたったの6例です。そのうち李さんのマークは5例で、14年ぶりの快挙です。それほど少ないです。

国内でも、鹿児島県、宮崎県などで標識された個体が、徳島県や大分県などで再捕獲されています。国内であっても、秋のデータに比べたら、極端に数が少ないです。

北上の記録は、海辺の砂粒の中から宝石を見つけ出すようなもので、非常に貴重なのです。その一つのデータが今回記録されたという訳ですから、私の胸が躍ったこともお分かりになると思います。

海辺のスナビキソウや畑のスイゼンジナで出会うかも知れませんし、今回の安川さんのように山でツバキ科のイジュに訪花しているところに出会うかも知れません。

海岸や山に行ってアサギマダラを見た時には、ぜひマークを見つけましょう。台湾や南の暖かい地方からやってきた個体かも知れません。

安川さんは「アマミ タ5/25 KY456」の追記をして放蝶しています。皆さんが出会う可能性もあります。再々捕獲を期待してしまいます。

可能なら捕獲し、写真に撮ってぜひ報告してください。今回のような感動を、ぜひ皆さんにも味わってほしいです。

李さんも安川さんも、きっと昨夜は興奮して眠れなかったでしょうね。20年以上にも及ぶ李さんの長年の努力と、安川さんの奄美まで通う調査の努力が報われましたね。

アサギマダラの初見情報と春の訪花植物:山口県周防大島町

またまた情報が前後してしまいますが、山口県周防大島町の山本弘三さんから4月の初見情報が届いていますのでご紹介いたします。さらに春の訪花植物についても教えていただきました。山本さんによると、周防大島の外入フジバカマ園で4月25日、メスのアサギマダラがスイゼンジナに訪花していたとのことです。

スイゼンジナに訪花したアサギマダラ:山本弘三さん提供

 

周防大島は瀬戸内海の島の一つで、本州とは大島大橋で繋がっており、山口県の南東に位置しています。島というだけで魅力的ですが、その島ではよくアサギマダラが観察されており、山本さんを通しての報告は毎年たくさんあります。

 

アサギマダラの会の村上豊さんがまとめている「We love ! アサギマダラ情報 291号」「初見日情報 2021」(3ページ)によると、昨年の初見は4月27日(asagi:037295)ですので、今年は2日早いということになりますね。

 

山本弘三さんのコメントをお伝えしますね。春のアサギマダラがたくさん集まる植物も教えてくださいました。

 

「ここのフジバカマ園には野生種コバノフジバカマが約1000株以上植えてあり秋の南下時期にはアサギマダラが1000頭以上集まります。

春の北上時期にもアサギマダラに立ち寄ってほしいことから、最近訪花植物のスナビキソウ・スイゼンジナ・シマフジバカマなどを植栽しています。

春のアサギマダラはスナビキソウというのが定説ですが、前記の3植物を同じ場所に植えてみるとスナビキソウよりスイゼンジナの方がより好まれるようです。

スナビキソウ・シマフジバカマはPAを含んでいるため訪花はオスが中心ですがスイゼンジナには♂♀ともに訪花が見られます。

したがって春のアサギマダラの観察はスイゼンジナが一番有利です・・・」。

 

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余談ですが、長野県北アルプス山麓の私も、愛知県のアサギマダラ関係者から譲り受けたスイゼンジナを自宅で鉢植えにしていたのですが、寒冷地ですので冬の寒さで花を見ることもなくまた枯らしてしまいました。2回目の挑戦だったのですが・・・

 

下の画像は私が2016年12月から2017年の秋まで育てていたスイゼンジナです。春から秋の間にどんどん成長しました。北アルプス山麓でもこんなに成長したのには驚きました。紫色した葉っぱの裏が一枚見えますね。

 

夏の間に成長したスイゼンジナ:長野県北アルプス山麓で 2017年9月

 

最近、「コメリ」でスイゼンジナの苗を販売しているとアサギマダラの先輩から情報を得ましたので、早速近くのお店に行ってみましたが、残念ながらありませんでした。24ポット頼めば入手できるようですが、そんなに求めても冬に家の中で育てるのは非常に大変ですので、結果的に注文は諦めました。

 

福島県の友人からの連絡によると、「ハンダマ」「金時草」の名で販売されていたようです。福島県では入手できたようですよ!

 

スイゼンジナの葉っぱは栄養価が高いとお聞きしています。どうやら葉を食べる野菜として販売されているようですが、私はもっぱら観賞用にしていたので食べたことはありません。上の画像のように葉裏が紫色していますので、野菜の苗売り場などで探せば楽に分かるかも知れませんね。

 

山本さん、初見情報の他に貴重な植物情報を大変有難うございました。

山本さんのホームページ:「山本柑橘農園」・ブログ :「曜日のない暮らし

アサギマダラの初見情報:福岡県宗像市

情報が前後しますが、福岡県宗像市の前田秀敏さんから2件のアサギマダラの初見情報(asagi:04056)が寄せられていますので、ご紹介します。

福岡県宗像市公園通りで4月28日11時ごろ、スイゼンジナに飛来。崎村さんによると、「1時間くらい吸蜜していた」。

さらに、同市鐘崎織幡神社境内で同日16時ごろ、花田さんによって確認されています。「境内に植えているスイゼンジナに飛来するも横の木立に飛び去った」とのことです。

 

前田さんからコメントが寄せられています。

「二件目の目撃の鐘崎の織幡神社ですが、神社の総代他理事さんたちが皆さんでスナビキソウを育てておられます、五月のピーク時は30頭程度の飛来がありアサギマダラのファンの方々が来られるようになります、神社野参拝も増えて大変喜んでおられます。

神社関係者の皆さん、訪問者に対し毎日来て説明等ご案内されています」。

 

さらに、熱心な宗像アサギマダラの会の会員さんの情報です。
「当会の熱心な会員で、近くの「ふれあいの森」で産卵した卵にマークをつけて一頭一頭管理記録しており2020年と2021年二年間の観察をまとめをしてもらっています」。
前田さんから寄せられた昨年の初見情報(asagi:037270)では、2021年4月21日でした。どうやら今年は7日遅いようですね。
宗像アサギマダラの会には熱心な会員さんがおられるのですね。卵から成長するアサギマダラの今後や、まとまられる記録が楽しみですよね。
宗像アサギマダラの会の皆さんは、「FUK ムナカタ」などのマークを付けています。撮影されたり再捕獲された方は、「再捕獲者、再捕獲日、時間、再捕獲地、座標、天気」などの詳細をぜひご連絡ください。
宗像市で目撃されたアサギマダラは、さらに北上の旅を続けているいるのでしょうね。
前田さん、貴重な目撃情報や宗像の皆さんの様子を知らせてくださってありがとうございました。ぜひ織幡神社の皆さんの活動や、宗像アサギマダラの会の皆さんの活動などもご紹介くださいね。楽しみに待っています。

フジバカマが20cmほどに成長しました:長野県小谷村平間

長野県小谷村「おたりアサギマダラの会」の丸山里香さんから3日、フジバカマの新芽が、成長の早い場所で20センチほどに成長したという情報が飛び込んできました。同時に送っていただいたサクラの花と雪の北アルプスの画像がとっても綺麗です。こうした季節の移り変わりの中でのフジバカマの成長をご紹介させていただきますね。

小谷村平間のフジバカマ畑から見える北アルプスとサクラ:丸山里香さん提供

 

「平間の花畑へ行って来ました」という丸山さんのコメントをお読みください。

今朝までとても寒かったので北アルプスは新しい雪をかぶって白さが増しています。花畑の桜越しの北アルプスです。

フジバカマは斜面の方は20㎝くらいに、広い花畑はようやく芽が出揃って5㎝に。去年の切り株くらいの大きさになっていました。

寒いのでアサギマダラの飛来にはもう少しかかるかもしれません」。

 

日当たりの良い西向きの畑で20cmほどに成長したフジバカマ:丸山里香さん提供

 

一段上の畑で5cmほどに成長したフジバカマ:丸山里香さん提供

4日のニュースでは沖縄県が梅雨入りしたとのことですが、長野県小谷村は春本番です。4月10日に訪問した時にはまだ新芽も確認できなかったのに、3週間余りでフジバカマがこんなに成長したのですね。

雪解けのフジバカマ畑:長野県小谷村平間

もしかしたら、北上のアサギマダラが平間のフジバカマ畑に今年も立ち寄るかも知れませんね。

丸山さん、初見を確認しましたら、またご報告よろしくお願いいたしますね。楽しみに待っています。

キジョランで蛹だったアサギマダラが旅立つ:熊本県熊本市

4月27日付けのブログの、益田勝行さんが熊本市内で24日に確認してくださったキジョランにあった黄緑色の蛹ですが、「昨日(4月30日)、蛹を見てみたら羽化し無事旅立った模様です」と、先ほど益田さんから連絡が入りました。

 

4月30日までに旅だったアサギマダラの蛹の抜け殻:益田勝行さん提供

 

キジョランでアサギマダラの蛹と抜け殻確認:熊本県熊本市

あの後、あの綺麗な蛹が1週間ほどで羽化したんですね。

確認前に旅立たれてしまった益田さん、「ということで、私はまだ今年はアサギマダラを見ていません(笑)」と、ちょっぴり嬉しいやら、成長を見れずに残念なような・・・

でも、熊本市内の「立田山の別の場所の方から、昨日と今日アサギマダラを1頭づつ見たと伺いましたので、そちらへ立ちよったのかもしれません」と、ちょっとホッとしたような気持ちの益田さん。笑顔が目に浮かびますね。

無事に羽化し、あちこち立ち寄りながら北東を目指す旅に出たのかも知れません。オスだったのかメスだったのか、いつ羽化したのかなど疑問は想像として膨らむばかりですが・・・この先素敵なパートナーと出会い、無事に旅を続けてほしいですね。

秋にはきっと次の世代の子どもたちと一緒に、大家族になって熊本に戻ってくるのかも知れませんよ。

さて、どこに立ち寄って皆さんにお会いできるのやら。マークもありませんが、出会った皆さんからのご報告をお待ちしております。